部屋の中にはたくさんの洋服が散らばっている。
栗色の髪の少女は、両手に2つの洋服を持って鏡の前で悩んでいた。
やがて、彼女は真っ白なワンピースを手に取り袖を通す。
レースをたくさんあしらった、可愛らしいそのワンピースは彼女の一番のお気に入りだ。
鏡に映った自分の姿を見て、レオナはよし・・・と頷く。
なんだかとても嬉しくて、その衝動を抑えられなくて
そして、一回くるっと回った。
彼女の柔らかな髪が広がった。








部屋の中にはたくさんの洋服が散らばっている。
少年の性格からしたら絶対にありえない光景だ。
淡い金髪をもつ少年は、両手に2つの上着を持って悩んでいた。
暫くして彼は一つの上着を選び、袖を通す。
そして鏡の前に立ち、ネクタイを結ぶ。
作業を終えると、彼は軽く息を吐いた。
窓から優しい風が届く。
彼の金髪が優しく揺れた。






9月22日の穏やかな午後だった。







親愛なる少年と少女へ   11








「見ーちゃった!」
「・・・!?」
突然のアルトボイスにレオナはびっくりして振り返る。
そこにはお茶のトレイを持った母親の姿があった。
横には、くすくすと笑う使用人の女性の姿もある。
女性は近くのテーブルに持ったいた箱を置くと、「では、わたくしはこれで」
と頭を下げて部屋を出て行った。
それに、「どうもありがとう」と返した母親はトレイを置くとレオナに近づく。



「くるっと回るなんて、ずいぶん楽しそうね?」
「・・・・・・・・」
母親の言葉にレオナは真っ赤になって彼女を睨む。
その様子に母親は「あら、不可抗力よ?」と笑った。
「そ、そりゃあ楽しいわ。自分の誕生日パーティだもの」
自分の心情が分からないように、レオナは努めて落ち着いた声で言う。
その様子に母親は笑いを堪えながら、意地悪そうに言った。
「そうね、貴方のナイトにも会えるかもしれないしね?」
「!!!」
赤い顔を更に赤くして、レオナは母親を見つめた。
母親はにやりと笑うとレオナを鏡の方に向き直す。
そして、先程女性が置いていった箱から髪飾りを取り出すとレオナの髪に当て始めた。






「クロード・・・・でしたっけ?あなたのナイト様は」
「そんなんじゃないわ・・・」
「ふふっ、そう?」
「そうよ・・・・!」
まともに取り合ってくれそうもない母親の様子にレオナは息を吐いた。
初めて一緒に町に行ってから、クロードは頻繁に家を訪ねてくれた。
何でも彼は用事があってここの町に来たらしく、その用事が終わるまではここにいるという。
町にいる間は、時間がある限り会いに行くよと笑った表情をレオナは忘れることが出来ない。
そしてその言葉通り、彼は時間を見つけてはレオナに会いにきてくれたのだ。
そして一緒に町に行く。
あれ程外に出るのは怖かったはずなのに、今では外に出てみたいと思うようにさえなっていた。
その事を父親はじめ、家族に話した時の彼らの表情もまた忘れることが出来ない。



『ああ、レオナ・・・・・神よ・・・・神は見放していなかった・・・ありがとうございます・・・・』



父親が涙を流しながらレオナを優しく抱きしめてくれた。
みんな、彼のおかげだ。
優しく笑う金髪の少年を思い出し、レオナは頬をうっすら赤く染めた。
その様子を見て、母親は優しく目を細めた。





「彼もパーティにくるといいわね」
その言葉にレオナは頷く。
クロードは超能力者だ。
父親が、多くの知人を招待したからと言っていたから彼がパーティにくる可能性はある。
しかし、クロードの口からパーティに行くという言葉は聞いていないのだ。
彼が来るのか、正直分からない・・・・・。
来てほしい・・・そんな思いがレオナの中に生まれ、胸元を軽く握った。
彼のことを考えるだけで、心臓がうるさい。
こんなこと、初めてだ。
だけど嫌な思いはしない。
心の中が暖かくなる、そんな気持ちだ。





「あ、そうそうレオナ・・・・婚約者のことだけど」
母親がそう言ったとき、レオナの表情に微かに影が落ちた。
そう、このパーティのメインイベントは自分の誕生日祝いの他に、婚約者に会うことだ。
・・・・・忘れていた
レオナは無意識に息を吐く。
先程まで心を支配していた暖かな気持ちが急にしぼんでいくのを、レオナは感じた。
自分には、もう結婚する人が決まっていたのだ。
それは、自分がこの家に生まれた時からいつかは来るであろう定めだ。
強い力の家系の者と結婚し、強い力を残す。
分かっていたはずなのに、心が重い・・・・・。
それがどうしてだか、レオナにはぼんやりと気がついていた。



彼と一緒にいたいからだ。
この、心に芽生えている気持ちがまだ自分にはよく分からない。
分かりそうで・・・・まだ分からない。
だけど、心は強く願う。
彼と、一緒にいたい。
また、あの笑顔を見たいのだ・・・・・・。



レオナの表情を見て、母親は意味深な笑顔を浮かべて言った。
「婚約者はツイン家の子息よ。あなたも名前は知っているでしょう?」
その言葉にレオナは頷く。
それと同時に、そういえばクロードの姓を聞いていなかった・・・・とぼんやりと考えた。
心ここに在らずの娘に、母親は苦笑しレオナに声をかける。
「レオナ、パーティは6時からよ?1時間前には最後の準備をするから下に降りていらっしゃいね?」
頷く娘に、母親は目を細めて部屋を出て行った。











「準備の方は順調かしら?」
ノックの音と共に母親が顔をだす。
クロードは振り向いて、目を細めて頷いた。
今日でここの宿ともお別れだ。
クロードは広げていた洋服を片付け始める。
するとそれを見て、同行してきた一人の使用人が慌てて手伝い始めた。
「いいよ、自分で出来るから・・・・」
「いいえ!これでは私が同行してきた意味がございませんわ」
その言葉に、ありがとうと礼を言ってその場を離れ、母親の方に向き直る。。



「そろそろ出発ですか?」
「いいえ、6時から始まるからまた結構余裕があるわ」
だからネクタイなんて外してしまいなさいな、と笑う母親にクロードは頷く。
クロードがネクタイを外し、畳んでいるとその様子を楽しそうに見る母親と視線が合った。
「母上?」
「ふふ・・・なんだか、クロード嬉しそうだから」
その言葉にクロードは目を細める。
「レオナが笑ってくれたから・・・・・嬉しくて」




レオナ・スタルウッド。
自分の婚約者の名前だ。
彼女との婚約は、かなり前から決まっていてその時は、どんな子なんだろう・・・・ってただそれだけの印象だった。
父にどんな子なのかと尋ねたところ、とても可愛い子だよとしか言ってくれなくて、でもその頃は僕は今よりも幼かったから
それで満足してたんだ。
だけど、何年も経っても一度も会うことが出来ない状況に不安がどんどん生まれてきた。
どうして会えないのだろうと・・・・気がつけば考えるようになっていたんだ。
「レオナ」というまだ顔も見たことがない少女が、自分の心を支配していったのもその頃。
恋とか、そんなものではなくて・・・・・ただ気になって頭から離れないでいた。





そして、父親から聞いた彼女の「外を恐れる」という真実は僕をとても驚かせた。
それと同時に、今まで会うことが出来なかったことに納得がいったんだ。
外を恐れるということが、一体どういうことなのか・・・・よく分からなかった。
ただ、自分も拒絶されてしまうかもしれないという事がとても怖くて・・・・
そう、それだけがとても怖い。
だけど、暖かさを知ってほしい。
世界は残酷だ。
そして冷たい・・・・・確かにそうなのかもしれないけれど、僕はそんな世界に存在する小さな暖かさを知ってしまったから
君に伝えたい・・・・そう思った。
彼女が、それを見てどう思うかは彼女の自由で・・・だけどせめてきっかけを、そう思ったんだ。



そして出会った。
初めて彼女と出会った時、その栗色の瞳に思わず見惚れた。
可愛い子だ・・・と思ったけれど、それよりも僕の心を掴んだのはその瞳で、
透き通る中に強い力を秘めたその瞳から目が離せないでいたんだ。
湖を見て、微笑んでくれた。
恐る恐る手を握ってくれた。
クロード、と名前で呼んでくれた。
時々見せてくれる笑顔がとても可愛くて・・・・・時折、見せる意志の強い瞳が僕の心臓をうるさくする。
あんなに外が怖いと言っていたのに必死で今、外に触れようと頑張ってる・・・。
あの強い光を宿した瞳で・・・・・。
傍にいたいと・・・・・そう思う。








「これは・・・・一目惚れに入るのかな・・・・・」
一目惚れだなんて・・・・自分らしくない。
思わず口に出してしまった言葉に母親は目を細めて言った。
「あら、それは違うわクロード」
「え?」
「レオナさんのこと、一目惚れだと言うこと・・・・・それは違うわ」
ふふ、と少女の様な微笑で母親は笑うと続ける。
「貴方は、ずっと恋してる。ずっと前からよ?顔も見たことのない彼女に」
母親の言葉にクロードは目を見開く。
「お父様から話されるレオナさんの話題を食い入るように聞き入って、楽しそうに笑って・・・・
時々貴方の口から彼女の言葉が出るときはとても嬉しそうに話すの。これを恋と言わずに、何と言うの?」




ね?と優しく微笑む母親に、一瞬クロードは呆然としたが暫くして照れたように笑った。
・・・・・この母親には、敵わない。



「そうそう、クロード!婚約のこと、レオナさんに言ってなかったんですって?」
「え?ああ・・・うん」
母親の言葉にクロードは頷く。
「まだ、いきなり過ぎるんじゃないかなって思ってさ」
ついこの前まで、あんなに頑なに外を恐れていた彼女。
そんな彼女に突然、「自分が君の婚約者だ」なんてクロードには言えなかった。
と、言っても今日のパーティで紹介されてしまうのだが・・・・・。
でも、自分がレオナの前に現れたら彼女はどんな顔をするだろうと、それが楽しみなのも本当で
こっそりとクロードは笑う。
母親は、そんなクロードの気持ちを読み取ったのか、くすりと笑った。


















日が沈みかけ、辺りは昼から夜に変化しようとしていた。
屋敷の入り口付近には、たくさんの馬車が止まっていた。
ぞろぞろと、着飾った人々が優雅な足取りで門をくぐっていく。
彼らが身につけている装飾品や着ている服は、とても豪華で彼らが裕福な人間だというのは一目瞭然だろう。
そして、彼らがこれから向かおうとしてるのが超能力者の彼らの中でも特に名家として名が高い
スタルウッド家の、令嬢の誕生パーティなのである。




最後の準備を終えたレオナは、自分の部屋のベッドに座っていた。
下からは到着したであろう、客人たちの話し声がする。
その声がますますレオナを不安にさせた。
膝の上に置いた両手を組み、無意識の内に握りしめる。
今日、彼はいないのだ。
自分の手をしっかりと握ってくれた彼。
安心出来る温もりをくれた、金髪の少年。
彼の手を離れて、外の者に出るのはこれが初めてだ。
改めてレオナは、クロードがどれだけ安心出来る存在だったかを感じる。
傍にいないだけで、こんなにも不安だ・・・・。



組んだ手に力を入れる。
微かに震えているのが分かった。
大丈夫だろうか・・・・?
ちゃんと、私は話せるのだろうか。
私はちゃんと、皆の前に出れるのだろうか・・・・・
「どうしよう・・・・震えが止まらない・・・・・」
俯いて、小さく呟く。
クロードを見たときとは違う音で、心臓が煩く鳴る。


・・・・・・・怖い




『レオナ嬢、前を向いて』

クロードの言葉が脳裏に蘇る。
そう、それは初めて町に出たとき俯いていた自分に言ってくれた言葉。


『君は、何も悪いことをしていないんだから。しっかり前を向いて?自分の存在に自信をもつんだ』


柔らかい声が蘇る。
繋いでくれた、手の温もりがまだ残る。
あの時感じた暖かさ、それはきっと・・・・私の心をずっと支配する。
ゆっくりと心臓が脈打つ。
手足に暖かさが戻る。



そうね、クロード。
貴方が教えてくれたこと・・・・信じたい。
貴方が見せてくれたもの・・・・また見たいから・・・・



部屋をノックする音が聞こえる。
顔を覗かせた母親がにっこり笑った。
「レオナ、行きましょう」



俯いていた顔を上げる。
心は決めた。
もう戻らない。



「はい」

凛とした声で、レオナは返事をする。
そして柔らかく微笑んだ。







広間の中央の階段に栗色の髪の少女が現れると、談笑していた客達は一斉に彼女に視線を移す。
これまで見たことのなかった、スタルウッド家の令嬢。
肩より少し長めの髪は彼女が階段を下りるたびに揺れ、白いレースのワンピースを身にまとった姿は
彼女の可憐さと幼い中にも存在する美しさを引き立てていた。
その可憐さに、ほう・・・とため息をつく者もいれば同い年位の少年には頬を赤く染める者もいる。
中には、「いやあ、これは噂に違わぬ可愛らしさですな」と納得したような声を上げるものもいた。
少女、レオナは階段から下りると、軽く深呼吸をした。
来てくれた客人達に、挨拶をしなければいけないから。



こっそりと辺りに視線を移す。
人が多くて、しっかりとは分からないが、ざっと見渡した限りクロードは来ていないようだ。
その事を残念に思ったが、すぐに頭を切り替える。
人々の視線が、レオナに注がれていた。
一瞬、あの恐怖が頭を過ぎる。
しかし、心を落ち着けてレオナは胸元で手を握りしめた。


クロード・・・私、頑張るから・・・・




「みなさん初めまして、レオナ・スタルウッドです。
本日は私の誕生パーティにようこそお越しくださいました。
こんなにたくさんの方々が来てくださって、とても嬉しいです。
本当に、ありがとうございます」




よく通る声でそう言うと、レオナはにっこりと微笑んだ。
途端に、拍手があちこちで上がる。
レオナは目を見開いて、周囲を見渡した。
人々が、笑顔で拍手をしている。
「お会いしたかったですよ、レオナ嬢」
「おめでとうございます!」
あちらこちらから、声が上がる。



「みんな・・・・笑ってる・・・・・・」



誰にも聞こえない位の呟きがレオナから漏れる。
皆、笑っている。
ああ・・・笑顔だ。
貴方はこれが言いたかったのね、クロード。
冷たさと優しさの、両方をもつ・・・・
この世界の美しさ。




湧き上がる拍手の中、レオナはもう一度にっこりと笑った。











パーティはとても華やかなものだった。
テーブルにはたくさんの豪華な料理が並ぶ。
レオナは飲み物を飲みながら、客人達と話していた。
途中、父親が自分の方を見ていることに気がつき、話を切り上げて父親の方に向かう。
「お父様?」
「ああ、レオナ。話はいいのかい?」
その言葉にレオナは、お父様が私に用があるのかなって思って切り上げてきたの、と答える。
「そうか・・・・いや、お前に紹介しようと思ってね」
そう言うと、父親はにっこりと笑う。
しかし、どこかその表情は寂しげだった。
「お父様?」
レオナが声をかけると、父親はいつもの表情でにっこりと笑う。



「婚約者のことを話していただろう?」
「ええ・・・」
「今から紹介したいと思うんだが、いいかい?」
父親の言葉に、レオナは一瞬躊躇した。
まだ、クロードに会っていない。
彼が来ている可能性は低かったが、改めて探してみようと思っていたのだ。
しかし、この婚約者に会うということがこのパーティを開いた目的の一つである以上レオナには断ることは出来ない。
レオナの胸がチクリと痛んだ。



自分がこの家に生まれた以上、強い力を残す為には強い力を持つ者と結婚しなければいけない。
これは一つの定めだ。
強い力は残していかなければならない。
だから、自分は・・・・・・



「うん、大丈夫」
そう言ってレオナは父親と共に人の輪を抜けた。
俯いて、父親の横を歩いた。



「相手の少年は、とてもいい子だよ」
「うん」
「優しくて、とても頼りになる」
「うん」
「一族の中でも能力の高さは有名らしい」
「うん」
「お前もきっと、気に入るよ」
「・・・・・うん」
父親の言葉に俯いたまま、返事を返す。
チクリ、チクリと胸が痛んだ。





「リゼルド!」
父親が声をかけると、それに気がついたらしく足音が近づいてきた。
・・・・恐らく2人だろう。
父親と・・・息子だ。
どうしよう、酷い言葉でも言って嫌われてしまおうか。
でも、そんなことすれば父親や母親に迷惑がかかるかもしれない。
だったら、こっそりと何かトラブルを起こしてしまおうか。
私だとばれなければ、いいのかもしれない・・・・・
俯いたまま、そんな事を考えていると父親がレオナの肩に手を置いた。




「ほら、レオナ・・・顔を上げて?相手の方に失礼だろう?」
その言葉に一瞬肩が震えたが、レオナはまだ俯いたままだった。
顔を上げたら、現実と向き合ってしまうから。
婚約者がいる、という現実からもう・・・逃げられない。







「レオナ、顔を上げて」






次に発せられた言葉は、父親からのものではなかった。
この声を、私は知っている。
この言葉を、私は知っている。
町に出て不安な私を支えてくれたのは、この声とこの言葉だったのだから・・・・・・。
ゆっくりと顔を上げる。
心臓がうるさい。
ドクンドクンと大きく脈打つ心臓の鼓動を感じながらレオナは目の前の人物を見つめた。




目に入ったのは、初めて出会った時と同じ・・・・日の光のように優しい金髪。
「クロード・・・・?」
「うん」
「貴方が・・・・・?」
「うん」
穏やか笑う、少年にレオナは何も言うことが出来なかった。





「2度目の初めましてだね、レオナ」
「2度目?」
目を見開いたレオナにクロードは頷いて言う。
「一度目の初めましては、君の家の中庭で。”クロード”と”レオナ”として、出会った。」
「・・・・・・・」
「そして、今日は2度目の初めまして。”クロード・ツイン”と”レオナ・スタルウッド”として・・・・・。ね?」
そう言って笑ったクロードにレオナは近づく。



ああ、やはり彼は日溜りのようだ。
こんなにも、暖かくて優しく・・・・私を照らす。
レオナはクロードの髪にそっと触れた。
そう、初めて会った時も惹かれたの。
この、お日様のような光の色に・・・・・・・




「初めまして、”クロード・ツイン”」
「初めまして、”レオナ・スタルウッド」





その優しい声に、レオナは思わずクロードに抱きつく。
「ええっ!?」とクロードは顔を赤くして驚いた声を上げたが、レオナは離れずに彼に抱きついたままだった。
それを見た2人の父親は互いに顔を見合わせて、くすくすと笑う。




そして愛しい少年と少女にこう言った。




「「彼が(彼女が)、将来結婚する定めの者だよ。」」







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ここが、第二章の序章「記憶のカケラ」と繋がっています。




2007/01/14